補綴(ほてつ):スレの補修について

今回は洗い張り着物の仕立てをしています。

 

何回洗い張りをし、仕立て替えしていることかと、感動するほどの物でした。

肩明は、既に2か所切れており、
身頃の揚げ位置で、右前・右後・左前と3箇所切れていて、
前後左右入れ替えた形跡があり、
上の写真の様な「補綴(ほてつ)」が2箇所、
お袖や衽も左右入れ替えた形跡ありでした。

八掛も何度か、上下左右、入れ替えた形跡がありました。

私の手元へ来た時には
左の後身頃のみ繋がっている状態で、
八掛の裾切れもありました。

また、私の手元へ来た時には、新たにスレている箇所が2箇所。

以前の和裁士さんに習い、私も補修してみました。

以前の和裁士さんは
表地と同じ様な生地を当てていましたが
今回はその様な生地が用意できなかったので、接着芯を使用しました。

使用したのは、一番薄い接着芯

その上を表に目立たない様に「くけ」でとめていきます。

接着芯を完全接着させるためには
・低めの温度
・長く抑えてあげること

それでも、摩擦で剥がれてしまいます。

そのため、縫い付けてあげることは必須かと思います。

接着芯を選んだ理由は
・色がある程度選べること
・最初だけでも、くっついてくれること
・薄いので、表地の風合いを損なわないこと

また、スレに当てる接着芯の大きさですが、
スレよりも十分に大きな範囲を覆えるだけの大きさが必要です。

補修の後は、胴継ぎです。

 
今回スレが2箇所増えていましたので
唯一繋がっていた、左の後身頃も
揚げ位置で、実際には上揚げより1寸程度下で、裁ち切り
左の前身頃にしました。
 
胴継ぎは、ミシンで縫っています。
糸は、絹ミシン糸。50番。
 
縫い目を大きめにし、返し縫いはしません。
 
継いだところは、縫い割ます。
縫い割ったところに、接着芯を貼り止め付ける、
または、縫い割った布を止め付ける、かどうかは
迷うところです。
 
袷着物の場合、今のところこの状態のまま
止め付けることなく仕立ています。
表から見ると、こんな感じで胴継ぎ完了です。

和裁の本に「補綴(ほてつ)」について
色々な方法が書かれていますが、
実際に見ると、自分の中の真の方へ入ってきますね。

だから、直し物・洗い張り品はたまりません♡